不動産投資をする前に (3)、不動産投資の優良物件です。

不動産投資をする前に (3)

2009年8月26日 by Quality-F

一年前の不動産証券化バブルの時、表向きの利回りを良くする為に、新興不動産ファンドはある事をしていました。それは、表向きの賃料を上げることです。一体どのようにあげるのでしょうか? みなさんもご存知のように、新築の物件というものは相場に比べて、一割程度の高い水準の賃料を確保することができます。これを一般的には新築プレミアムといいます。新築プレミアムが乗った上で、礼金・敷金ゼロ(ゼロスタイル)で、かつ、フリーレント1ヶ月(賃料1ヶ月無料)で募集をして、表向きの賃料水準を相場より2~3割程度上げてしまいます。入居者は、当初の持ち出し金額が少なく、かつ、1月分の賃料が無料、しかも、建物はオシャレでカッコいいですし、賃料が高くても十分入居します。その結果、表向きの利回りがぐっと高くなるのです(収入が高くなる)。

利回りが一人歩きする時勢には、表向きの利回りが良ければ、有利(高く)に売却することが可能となるのです。みなさんも、都内駅近の利回り○○%の物件を探しているなんて、フレーズを良く耳にすることでしょう。ここにも、大きな落とし穴があるのです。不動産の素人の方はプロにいいように騙されてしまうのです。このようなリスクは上記したケースのほかにも、もっと身近な物件にもたくさん潜んでいます。

満室想定もその一つです。空室が多い物件で、満室になった場合にはこうなりますと表記してありますね。では、その想定された賃料は妥当なのでしょうか?その他にも、景気のいい時期に入居された入居者が多い物件や、退去の可能性が高い入居者の多い物件など、実に様々です。一方、逆を言えば、想定された賃料が安い物件や、現在入居している入居者の賃料水準が低い物件も当然にあります。このような物件は今後の運営次第では価値の増加(バリューアップ)が図れます。つまり、潜在的な利回りが高い物件であることがわかります。

このように収入の見立ても様々であるこから、プロフェッショナルな不動産投資の世界では、1. 現行水準(アクチュアル)、2. 市場水準(マーケット)、3. 標準化水準(スタビライズ)を投資対象の個性に合わせて、うまく使い分けて投資しているのです。このように、その収入についても当然の如く念入りな検証が必要となってくるのです。