パシフィックセンチュリープレイス丸の内を1400億円でセキュアードが取得 不動産投資マーケット(3) 2009.12、不動産投資の優良物件です。

パシフィックセンチュリープレイス丸の内を1400億円でセキュアードが取得 不動産投資マーケット(3) 2009.12

2010年1月8日 by Quality-F

さて、今回の取引であるが、新生銀行が中心となり、他のレンダーをまとめた模様である。そして何より1,400億円という金額だからこそ、まとまったのではないかと思われる。
ここで、パシフィックセンチュリーの収益価格を想定してみる。2006年の時点での入居者の平均賃料水準(共益費込)は概ね@40,000円/坪前半であった。その後の賃料値上げ交渉やテナントの入れ替えに伴う影響により平均賃料水準は上昇したであろう。想定ではあるが、高くて@48,000円/坪程度であろう。
これで試算するに経費率30%を想定するにその利回りは3.4%となる。仮に平均賃料水準を@50,000円/坪で試算したとしても3.5%となる。NOIベースでは4.0%程度となる水準である。いずれにしても3%台の利回り(NCFベース)での取引である。いずれにしても2006年の取引から1,000億だとか上限1,200億円といった水準といわれていた。1,200億円で考慮しても4%(NCFベース)となる。
これは、この水準で買えるなら、東京駅至近のSクラスビルとしては、おいしい投資対象との事なのだろう。不動産市況が低迷している状態といっても、この金額では到底購入できない水準であるとの目論見と推察される。

今後、当面の間は賃料値上げは不可能であろうし、高い賃料でのテナント確保も非常に難しいであろう。これからセキュアードの運用が試されることとなる。ここ数年を底ととらえ、3~5年後に売却をもくろむなど、経済予測を織り込んでの取得かもしれないが、それこそ、本当の”運”用となってしまう可能性もあるだろう。しかしながらリスクはリターンの源泉である事も否定できないが…