不動産投資トピックス かんぽの宿(6)、不動産投資の優良物件です。

不動産投資トピックス かんぽの宿(6)

2010年12月3日 by Quality-F

以上、簡単ではあるがお話させて頂いた事から、朝日新聞が記載している積算価格を大幅に下げているといった話は全く論点がずれているとお気づきになるであろう。さらにもうひとつ、事業評価でみた収益価格は「簡単には切捨てる事の出来ないソフト(人的資本)」や「FF&E等の什器備品」など、積算価格では考慮されていない部分(資産)も多々内包しており、そもそも論理的には簡単に並列させることが困難との見解が主である事も付け加えたい。

やや過大な表現ではあるが、都内のホテル等、どこぞの大臣が言っていたようにそこで働いている何百の人々を切捨てて、マンション用地等として売却すれば確かに売却益は出るであろう。しかし、一部の優良物件のみに目が行ってしまうが、その背後にはたくさんのクズ物件があり、その背後にはそこで働くたくさんの人々の生活が掛かっているのだ。事業体である以上、いい物件だけ売ろうなんてそんな都合の良い話しはそもそも出来ないのだ。もっと、トータルで考えるべき内容なのであり、あまりにも短絡的すぎる。

筆者は天下り族や既得権にぶら下がっている族等を保護しようとは毛頭考えていない。当然、大幅なリストラ(経営のスリム化や効率化)が必要となろう、給与も大幅にカットされるであろう。将来的に独自で利益をきちんと獲得できるように血のにじむような経営努力も必要となろう。良きパートナーやアドバイザーも必須。その上、リノベーションする為の大幅な追加投資も物件によっては当然に必要となってくる。

目の前にあるポートフォリオがある。数百のホテルや旅館の中に更地としては売れば数百億円で売却可能なホテルがある。しかしながら、そのホテルは毎年数億円の赤字を垂れ流しており、そこには数百人の従業員が働いている。さて、ここで質問だが 読者ならこの物件をいくらで誰に売却をするか? ぜひ、熟考していただきたい。

(※)以下は完全な私見であり、異論反論あると思われるが、筆を取らせていただいた。

日本は実需に基づく物作りの技術立国である。

魔法を使って無から有を作り出し、一瞬の株高を享受するために会社を買収してバラバラに解体。高値で売却できる部分は転売し、無用な部門は簡単に潰し、長期に渡って事業を育てる事を無視し、他国から金を騙し取らないと破綻してしまうアメリカのように絶対になってはいけない。

自分やその家族だけ幸せであれば他人はどうなっても良いと考えるような国になってはいけない。