不動産投資トピックス 高利回り物件について、不動産投資の優良物件です。

不動産投資トピックス 高利回り物件について

2011年2月23日 by Quality-F

美味しい物件が無い日々が続いているのではないだろうか。

そもそも、なぜ高利回り物件が存在するのか?一般的に考えると…経済合理性に反するが一般的に高利回り物件が売却される理由は(1)「債権者からの要望」と(2)「現金の確保」、(3)「サービス」の三つに尽きる。その他、情報の非対称性…売主が何も知らないといったケース(地主のお年寄りが不動産屋に騙される)もあるが、それは本件では割愛させていただく。

(1)は所謂、信託系が持込む案件である。

ここで不動産の資金構成について話しておく。一般に物件の資金構成としては大まかに「シニア」、「メザニン」、「エクイティ」から構成されている。シニアとはメインの融資部分で、それに劣後するのがメザニンである。エクイティは文字とおり自己資金部分。

なお、これはあくまでも説明のために簡略化してお話させて頂いている点に留意して欲しい。なにぶん、読者から細かい質問を受けたので…念のため(中小企業のファイナンスと証券化ファーナンスの相違等々)。

簡単な例でお話しよう。例えば目の前に1,000億円のビルがあるとする。手持ち(自己資金)で調達できるのが100億円だったとする。メインのローンは例えば信託銀行から調達するが、物件の状況等から700億円までしか融資されない場合に、足らない200億円をどこからか調達する必要がある。ここで出てくるプレイヤーがメザニンレンダーである。当然、シニアに劣後する事(リスクが高い)から、シニアよりもきつい条件で調達する事となる。ハゲタカ外資系投資銀行のお得意分野であった。

その物件から毎年100億円のCFがあがるとする。まずはシニアが優先的に返済を受ける。たとえば50億円。次にメザニンが…例えば20億円。最後がエクイティの回収分となる。このケースだと30億円となる。レバレッジが効くから100億投資して年30億円のリターンとは非常に美味しい。しかしながら…景気の動向を受けて毎年100億円入るはずのCFが大幅に減額したら…。まずはエクイティが吹っ飛ぶ。次にメザニンが飛ぶ。最後にシニアがリスクを受けるのであるが、シニアとしては最悪元金が回収されれば大きな問題は生じない。その時に、債務残高で売却する高利回り物件が出てくるのである。なお、現実には保有物件のバリュ(価値)を毎期チェックするので、インカムの下落よりキャピタルロスのほうが大きく左右する(賃料は遅効性が働くが、キャップレートは反応度が非常に高い)が、簡易な説明である事から割愛する。

しかしながら、昨今は先日お話したモラトリアム法等(金融庁の姿勢)の影響で、レンダーが容易にリスケを受ける。つまり、返済条件を柔軟に融通してくれるわけである。その結果、エクイティやメザニンを飛ばした美味しい物件が、市場に出てこない状況となっている。仮に出てきても…それは(3)のサービスで特権階級のお得意様に与えられるデザートとなっているのである。証券会社のように、とっておきの案件(IPO等)をVIPに与えるように。

(2)の全盛期はリーマンショックの前後であろう。新興不動産会社等はとにかく現金の確保に走った。筆者も度々、この時の状況は話しているが…異様な価格水準であった。

今日の日本経済は回復の見込みのない病人を無理やり延命させているようなものである。したがって、ここ数年でその抱えきれない膿が溢れ出すのは避けられないであろう。