不動産投資をする前に (2)、不動産投資の優良物件です。

不動産投資をする前に (2)

2009年8月26日 by Quality-F

まず一つ目として、その利回りを決定するのは各投資家の判断だと言うことです。しかし、当然売主(セラー)の意向によってその利回り(期待利回り)では購入できないことも十分にあります。その結果、一般的には需要(買いたい人)がたくさんあるわけですから、いい物件であればあるほど利回りは低く(価格が高く)なりますし、悪い物件ではあればあるほど利回りは高く(価格は安く)なっていきます。

しかし、不動産は他の金融商品と異なって、整備された完全な市場がありません。株式市場を想像してください。世界中の市場参加者(売主と買主)が株の売買を行い、完全な需要と供給の中で価格が設定されていきます。一方、不動産は、みなさんもご存知のとおり、世界中で一つしかないものですから、売主も買主も限定されてしまいます。つまり、その不動産がたくさんの売主と買主により、適正な需要と供給により合致して価格が形成される事はありえないのです。したがって、価格なんてあってないようなものです。あくまでも、販売希望価格ですから。だから、その価格の妥当性を必ず検証すべきなのです。

二つ目として、利回りのベースとなる収益についてです。例えばグロス利回り10%の物件が二つ(仮にA・B)あるとしましょう。ともに1,000万円です。しかし、よく考えて見てください。毎年入ってくる収益は同じ100万円かもしれませんが、その100万円を獲得するためにかかる費用は異なるのです。維持管理にたくさんの費用が発生する物件もありますし、税金が相対的に高い物件もあります、数え上げたらきりがありません。特に大規模修繕積立金(CAPEX)は非常に大きな支出になりますので、利回り水準を大きく覆してしまうほどインパクトがあるのです。

このように費用が異なってきますので同じグロス利回りでも、当然に実収入は同じでは無いのです。つまり、物件にかかる費用を無視して利回りを論じること自体ナンセンスなのです。

したがって、不動産投資(プロの)の世界では、グロスの利回りなんてものは使いません。上記したように全く意味が無いですから。プロの使う利回りはネット利回りです。さて、話をA・B各物件に戻しましょう。
それぞれの費用を査定したら、以下の結果になったとしましょう。
A・・・ 収入:100万円 - 費用:20万円 = 実収入:80万円   ・・・ ネット利回り:8.0%
B・・・ 収入:100万円 - 費用:15万円 = 実収入:85万円   ・・・ ネット利回り:8.5%

同じ表面利回りの物件でも、ネット利回りが異なってくるのが理解できますね。したがって、同じようなレベルの物件であれば、当然に物件Bを取得したほうが特になるのです。

ここで、もう一度冷静に考えてみましょう。そもそも、物件の収入って、ほんとにそれでいいのでしょうか?不動産の主たる収入は賃料です。つまり、その明記されている賃料は適正なのでしょうか?